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右から、萩原理事長、中津川アートディレクター、田口ランディさん、牛山理事(司会進行)[/caption]
2018年3月3日(土)『ニーゼと光のアトリエ』映画上映会が無事終了いたしました。
1944年、ブラジルの精神病院。愛と芸術で患者たちに光を取り戻させたブラジルの実在の女医・ニーゼ・ダ・シルヴェイラをモデルにした作品。
アールのスタッフが感動し、ぜひ小田原で上映会をと願って実現した企画でした。
2回目の上映の後は、小説家の田口ランディさんをお招きし、アールの中津川浩章アートディレクター、萩原美由紀理事長(司会:牛山惠子理事)とともにアフタートークを行いました。
1944年という時代に、劣悪な環境に置かれていた患者たちの環境を清潔にし、風と光を入れて絵の具や筆、粘土などを与えたニーゼ。
信じて待つこと、教えるよりも話を聞くこと。
どんな障壁があっても、患者が自分で回復していくことを強く信じたアトリエには、笑顔が生まれ、次第に患者は名前のある一人の人として扱われていくようになります。
「ただありのままを受け入れることができたら、
こころはおのずと回復する力をもっている。
なにもしなくても大丈夫。ニーゼのように、ただそれを信じさえすれば」
司会者から、ランディさんが映画のパンフレットに寄せられたこのコメントの意味を質問しました。
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田口ランディさん[/caption]
「治療して治る」ことと「回復する」ということとは必ずしも同じではない。
「治す」というとき、人は「元にもどそう」としてしまう。
でも人が回復するとき、元に戻るとは限らない、むしろ変わっていくことが多いと思うんです、とランディさん。
そのときどきのありようを受け入れていくことが「回復する」ということなのではないかと。
また、ニーゼのアトリエは幸せだけに包まれていたかといえば、実はそうではないと、映画は描いていました。
患者たちの作品が評価されていくのと並行し、病院と対立するニーゼ。人との関わりに端を発する事件もおきます。
「壁に当たった時にガチンコしないで、解決策を探っていかないといけなかった。」ニーゼにも問題はある、と語るランディさんの言葉に、登壇者がはっとする場面もありました。
でも、そのような強さがあったからこそ、あの時代の中、前に進むことができた、とも。
映画では描かれなかったニーゼの美術展の衝撃的な後日談や、
現在の精神病院の世界的な動向についてなど、中津川アートディレクターからお話があった後、
1984年(昭和59年)設立時には誰にも見向きもされなかったべてるの家が、いまでは世界中から見学者が絶えない。
「現実を変えたい、というたった一人の、一歩の行動から全ては始まるんですよね。」
あっという間の時間でしたが、上映後の時間をみなさんと有意義に過ごさせていただけたことに、感謝しています。
ご来場くださった皆さま、多方面でご協力くださった皆さま、そして田口ランディさん、
ありがとうございました。
またみんなで映画をみる会を、企画したいと思います!!
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