アール・ド・ヴィーヴルは、様々な障害のある人たちが自分らしく生きることを追求できる事業所として、 昨年、小田原市久野にアトリエを構えました。 アトリエでは、絵画・織り・陶芸・料理・ダンスなど、様々な表現活動に取り組み、 社会とつながる作品が毎日生まれています。メンバーたちの作品には驚きと感動とユーモアがあり、 思わず笑顔がこぼれる作品や心に沁みる作品に出会うこともあります。
ギャラリー新九郎さんとの出会いは今から5年前。 当時市内栄町にあったギャラリー新九郎の木下様が、近所のカフェに飾ってあったアールの作品を気に入ってくださり「アールの作品をぜひ紹介したい。展覧会を開きませんか?」とお声かけくださったのがきっかけでした。 あれから毎年恒例の展覧会となりました。 今回ダイナシティでNEW新九郎として生まれ変わり、新たな出会いの機会をいただき感謝しております。
おかげさまでアールの作品は、小田原市内を中心に関東エリアでご覧いただける機会が増えております。 企業のロビー、病院、銀行、旅館、デパート、レストランなど、毎日お客様が集う場に、アールの絵画作品をリースいただけるようになりました。
障害のある人たちがいきいきと活躍できる社会は、多くの人々の固定概念を変える力があるように思います。 今回の展覧会を通して、障害があるなしにかかわらずお互いが必要な存在であることを知るきっかけとなれば幸いです。
NPO法人アール・ド・ヴィーヴル 理事長 萩原美由紀
「アウトサイダー・アート」や「アール・ブリュット」と呼ばれる正規の美術教育を受けない作り手による作品群への関心がいま世界中で高まる中で、障害者のアートも大きな注目を集めています。アウトサイダー・アートだけを扱うアートフェアーが人気を博し、ロンドン、ニューヨークには専門のギャラリーが、パリにはアール・ブリュットだけをコレクションするアートセンターもあるほどです。 彼らのアートがこんなにも人の心をとらえるのはなぜなのでしょうか。 その答えは今回ここに展示される作品を見れば一目瞭然です。感覚を通して見る人の心にスーッと入ってくる作品たち。生き生きとした線、素晴らしい色彩、形態の面白さ、ユニークな発想。 そこにはアートの大切な要素がすべて詰まっているといっても過言ではありません。 その感覚の並はずれた鋭敏さ、激しさ、率直さ、繊細さ、そしてこだわりの強さ。彼らが持っているこうした特性は今の社会では「障害」と呼ばれてしまうことが多いのですが、アートの世界ではそれが反転して素晴らしい才能として輝きを放つのです。 アール・ド・ヴィーヴルは5年前、この小田原の地で障害者の表現活動をサポートするNPO法人として設立されました。さまざまなワークショップを継続して行いながら活動の場を広げ、そして昨年4月には、長年の願いであったアートを仕事とする福祉施設を開所することができました。 これからもいろいろなかたちで社会とつながっていくことで、障害があってもなくてもしあわせな社会をともにつくっていけたらと思っています。 アール・ド・ヴィーヴル アートディレクター 中津川浩章