2023年5月6日(土)「障がい者アートとインクルーシブ社会」講演会&クロストークを開催しました。
第一部は、播磨靖夫さんの講演から始まり、
後半は中津川浩章アートディレクターが聞き手となり、さらにその実践について哲学の奥深くに探索を進めていく対話となりました。
この世界をよりよい場所にという志からジャーナリストの道へ、さらに福祉の道へと進み、障がいがある人たちの日々の営みとして、アート、パフォーマンスの可能性を見出し、活動し続けてこられた播磨さん。
アートを介して、他者との関係が生まれること。
創作だけではなく、発表していく事が大切であること。
表現を通して人間とはなにか?生きる意味とは?と考えること。
この人はなにを伝えたいのか、どう感じているのか。観察力、洞察力、想像力を働かせることの大切さ。
「世界は、価値の大変換を迎えている。世界というのは、外国ということではなく、人と自然と神のこと」
という言葉が会場に響きます。
全国の活動の中で大切にされている理念の源泉に出会う時間でした。
第二部のやまなみ工房の山下完和施設長、工房まるの樋口龍二代表理事をお迎えしたクロストークでは、
第一部を受け、それぞれの拠点で積み重ねて来られた営みからの「生の声」を聞かせていただくことができました。
障がいがある利用者も、支援者も、社会も「幸せ」になるには。
「シェルターとしての障がい者施設の必要性と、障がい者施設がなくなる社会を目指したいという気持ち。行ったり来たりする」という言葉。
正解も、完成も、完結もない世界で、アートを「間」として機能させながら、
人と作品、人と人に補助線を引き、関係を築き、社会を変えていく。
問いながら進みつづける、愛にみちた明るい覚悟が
会場全体を包み込みました。
遠方から来てくださった登壇者のみなさま、足をお運びくださったたくさんの聴衆のみなさま、ありがとうございました。
講演会・クロストーク『障がい者アートとインクルーシブ社会』
2023年5月6日(土)14:00〜
小田原三の丸ホール(小ホール)
講演会登壇者:播磨靖夫
(「たんぽぽの家」理事長・2009年芸術選奨賞・2022年令文化功労者受章)
モデレーター 中津川浩章
クロストーク
やまなみ工房施設長:山下完和
工房まる代表理事:樋口龍二
アール・ド・ヴィーヴル:萩原美由紀 中津川浩章