2/24(土)スクランブルダンス・プロジェクト発表会「雪月花」を行いました。
障害がある人もない人も一緒に踊るスクランブルダンス。アールのメンバーがとても楽しみにしていた一日。
今回の講師は山海塾の松岡大さん、そしてこれまでのワークショップもご一緒くださった加藤さんがサポートしてくださいました。
5つの場面に分かれて、それぞれが自分のパートの道具を手に踊ります。
・風車(風になる)
・綿(力を感じる)
・好きな帽子(ファッションショーみたいに。途中で帽子を誰かと取り替えながら踊ります。)
・花(それぞれが花である)
・月
「今日もいつもと同じように自由に動こう」
「花は地面から咲いているよね、地面を感じてみよう、地面の近くでも高いところでもどこで咲いてもいいよ」
松岡さんの温かい声と笑顔が背中を押して、みんなの動きも少しずつ大きくなります。
大野慶人さんが会場に入っていらっしゃると、練習中のメンバーの中から「大野さんこんにちはー!」という声が上がりました。(みんな大野さんをとても慕っています)
通し稽古を終えて、午後からはお客様をお迎えしての本番。
ちょっと緊張していたみんなですが、本番に強い!!
それぞれが自分の思うままに、曲、手に持ったもの、そして空間全体を集まった皆さんとともに味わう豊かな時間になったと思います。
発表が終わった後、大野先生が「ロンドンデリーの唄」に合わせてみんなの前で踊ってくださり、夢のような時間が訪れました。
このような特別なステージを準備してくださったみなさま、
参加してくださった皆様、見に来てくださり、応援してくださったみなさま、
そして、大野慶人さん、松岡大さん、加藤道行さん、
本当にありがとうございました。
全てが終わった後のみんなの晴れ晴れとした笑顔が忘れられません。
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後半の第二部は
文化シンポジウム「障がいのある人もない人も共に楽しむ共生社会に向けて」と題し、
文化庁文化部芸術文化課文化活動推進室長の大江耕太郎氏、
小田原市芸術文化活動専門員の間瀬勝一氏
アール・ド・ヴィーヴル萩原理事長が、それぞれの立場から芸術文化活動について語りあいました。
まずは萩原理事長が、ダンスワークショップを5回開催しての感想述べました。
舞踏の世界を知らなかった障がいのある人たちが、アトリエでの創作活動では見せない表情を見せたこと、身体中で自分を表現している姿に、彼らの新たな引き出しを見た気がした、と参加者の変化が語られました。
間瀬氏は、障害者基本法について、障害を理由とする差別とはどんなものかを具体的な事例を紹介して解説。
小田原市では、社会的障壁の除去のための取り組みとして行っている事業のひとつがスクランブルダンスプロジェクト。
関わりをもつことでお互いを知ることになり共生社会へと向かうと語られました。
大江氏からは、文化庁の方針と取り組みについての解説が語られました。
H29年6月施行した文化芸術振興基本法の改正により、共生社会に向け、
芸術文化プロジェクト、障害者の芸術文化活動推進プロジェクトの支援が行われています。また、オリンピックパラリンピック東京大会に向けて、様々な文化プログラムも施行されていきます。
オリンピック憲章では、オリンピックは、アスリートの祭典だけではなく、スポーツを通して文化と教育を融合させ、開催国の人々が、豊かに文化的暮らしを向上させる規範をつくるとあります。障害者への理解を目指し、障害者アーティストが活躍する場を作り出す活動を応援しています、との談話がありました。
萩原理事長は、写真を用いてアールの活動を紹介し、障害のある人たちの創作・表現活動を通して、社会と障害者をつなぐ仕事を作り出すのがアールのミッションであるということをお伝えしました。
スクランブルダンスの取り組みは、障害がある人とない人が出会う場となっており、この活動を続けることで、障害を知る機会をもっと増やして共生社会を目指していきたい、と語りました。
会場より、松岡大さんにマイクが渡りました。
「大野慶人さんのご指導がすでに身についているメンバー達だったので、初めて顔を合わせたのにしっかり動いてくれました。生きにくい時代だからこそ舞踏が求められるのでしょう。この時代に踊り手として関われたことを光栄に思います。」
最後のお一人として、大野慶人さんにお言葉をいただきました。
「舞踏というのはね、ダンスができない人がやるものなんですよ」
「生きることの大切さを伝えたかった。それぞれの人がそれぞれに、生きることに自信を持てたらいい。平和に生きていってほしい。」
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2018年2月28日 神静民報に掲載していただきました[/caption]
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